Article
月経痛とPMSの違い、記録のつけ方
「毎月のことだから」と我慢していませんか。月経痛とPMSは起こる時期も仕組みも違います。
監修:一般社団法人フェムケア教育協会 代表理事 小林幸子
月経痛とPMSは、どう違いますか?
起こる時期が違います。月経痛は月経の直前から月経中にかけて起こる下腹部や腰まわりの痛みで、子宮を収縮させる痛み物質(プロスタグランジン)が関わります。PMS(月経前症候群)は月経の約3〜10日前から現れる心と身体の不調で、月経が始まると落ち着くのが特徴です。どちらも日常生活に支障が出るほどなら、婦人科に相談する目安になります。
月経痛の仕組み
- 妊娠が成立せず、子宮内膜がはがれる
- 痛み物質プロスタグランジンが分泌される
- 子宮が収縮する
- はがれた子宮内膜が子宮の外へ排出される
プロスタグランジンは、不要になった粘膜と血液を体外へ出すために子宮を収縮させる役割があります。過剰に分泌されたり、ストレスや冷えで骨盤内に滞ったりすると、痛みを強く感じることがあります。
2種類の月経困難症
- 機能性月経困難症。痛みやだるさはあるが、原因となる病気がないもの。初経から半年〜1年後から起こる方が多い
- 器質性月経困難症。子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮筋腫など原因の病気があるもの。初経後5年以上たってから発症することが多く、寝込むほどの痛みや、月経時以外の腰痛・下腹部痛を伴うことも
出典:当協会公式テキスト第5章「月経痛」
PMS(月経前症候群)
月経の約3〜10日前から症状が出て、月経開始とともに落ち着きます。
| 身体の症状 | 胸の張り・痛み、体重増加、むくみ、頭痛・腰痛 |
|---|---|
| 心の症状 | 情緒不安定、イライラ、気分の落ち込み、眠気 |
心の症状(イライラ・落ち込み・不安)が特に強いものは、PMDD(月経前不快気分障害)と呼ばれ、仕事や人間関係に支障をきたすことがあります。
出典:当協会公式テキスト第5章「月経前症候群(PMS)」「月経前不快気分障害(PMDD)」
月経周期の4つの時期
正常な月経周期は25〜38日。卵胞期・排卵期・黄体期・月経期に分かれ、黄体期(排卵後)にはイライラや頭痛、食欲の変化が、月経期には腹痛や気分の落ち込み、疲れやすさが起こることがあります。
出典:当協会公式テキスト第4章「女性ホルモンと分泌値の変化と月経周期」
記録のつけ方
自分のパターンを知ることが、最初の一歩です。次の4つを毎日ひとことで。
- 月経の開始日と終了日
- 痛みの強さ(0〜3の4段階など)と場所
- 心の状態(イライラ・落ち込み・眠気)
- 生活の変化(睡眠・ストレス・冷え)
2〜3周期分の記録があると、症状が「月経前」に集中しているのか「月経中」なのかが見え、婦人科で相談するときにも役立ちます。
婦人科に相談する目安
- 寝込むほどの痛み、鎮痛薬が効かない
- 月経時以外にも腰痛・下腹部痛がある
- 周期が25日より短い、38日より長い、不規則が続く
- 心の症状で仕事や人間関係に支障が出ている
日本には労働基準法に「生理休暇」の定めがあります。厚生労働省の雇用均等基本調査(2015年度)では取得率は1%未満にとどまっています。
出典:当協会公式テキスト第5章/厚生労働省「雇用均等基本調査」(2015年度)
この記事は、効果や効能を約束するものではありません。症状が続く場合や強い痛み・出血・発熱があるときは、婦人科など医療機関に相談してください。
FAQ
よくある質問
市販の鎮痛薬を飲んでもいいですか?
一般的には用法用量を守れば使われますが、効かない・回数が増えているときは婦人科に相談してください。
PMSはフェムケアで軽くなりますか?
PMSは医療の領域です。当協会の講座や記事は、身体の仕組みと毎日のケアをお伝えするもので、症状の軽減を約束するものではありません。
生理不順の目安は?
正常な月経周期は25〜38日とされます。それを外れる状態が続く、周期がばらつく場合は相談の目安です。
※記事の内容は公式テキストと公開情報を元にした下書きです。公開前に代表理事の監修を受けます。
